アニが考える『当事者が参加しやすい不登校ひきこもりのイベントとは?』
アニです。
2019年になって、もう2月になっちゃいますね。時間の流れが早い。何にもせず1月終わっちゃった感じです。ホント良くない。
さて、お気づきの方も多いでしょうが、不登校ひきこもり関係のイベントは1月から4月ぐらいまで少ないです。
これは不登校ひきこもり分野に限ったことではないのですが、1月は色々とプライベートが忙しい、2月は雪など天候のリスクがある、3月と4月は年度末と年度始めでそれどころではない。
そんな感じでボランティア・NPO活動に関するイベントは5月、ゴールデンウイーク以降から多くなります。特に不登校ひきこもり分野は5月ごろに「自分の子が不登校になった!」というケースが多発するので、それに対応する形で5月・6月ごろに集中しやすいです。
つまり2月ごろはイベントの準備を始めたり、もしくは8月以降ぐらいのイベント開催を考えて助成金申請などの企画づくりをしている段階です。
この投稿はイベント開催を控えている方、もしくはイベントのやり方を知りたい方に見て頂けたらと思います。
不登校ひきこもりに関わるイベントで、主催者が当事者の参加を念頭に入れないということはないでしょう。
イベントにもよりますが、大抵は当事者・家族の心の負担を軽減するような目的でイベントは行われます。そのためにも参加して欲しいというのが主催者側の意図です。
しかし、実際に当事者が参加することは少ないです。家族の方が圧倒的に多い。
今回は何で当事者は参加しないのか考えてみたいと思います。個人的な心象を多分に含んでいるので、そこら辺は考慮してください。
当事者はイベント参加する動機がない
不登校ひきこもりの当事者は、辛い状況にあるほど自分たちをテーマにしたイベントに参加する気力は沸きません。
当り前の話ですが、不登校ひきこもりという現象は外出しない、または外出の頻度や場所が限られることです。
現在進行形で辛い状況にあれば目の前の辛い現状に目を奪われます。
なおさら外出する気は削がれますし、まして人混みが予想される場所には行きません。
当事者はイベントを探さない
インターネットでの情報発信をすれば大丈夫という人もいます。確かに一見万能であるかのようですが、インターネットでの情報収集は「検索」という一定の方向性を持っています。また検索結果から自分の好みに適したものを選択します。
興味がないから探さないというのもありますが、当事者にとって「不登校ひきこもり」というテーマ自体、自分の現状を自覚することになるので、イベントを探すことはしません。
「自分は不登校ひきこもりではない」「不登校ひきこもりである自分は恥ずかしい」と考えている当事者は、家族などの縁者がイベントに関わること自体を嫌うこともあります。
とにかく「不登校」「ひきこもり」というワードを避けます。
どんな当事者がイベントに参加する?
当事者の大半はイベントに参加しないのが普通です。もちろん参加してくれる当事者もいますが、間違いなく数は少ないです。
そんな滅多にいない参加する当事者ですが、以下の3つぐらいに分類されると思います
心の整理が出来ており、自分の状態に関心がある当事者
自分が当事者である自覚があって、他の人の話を聞きいて自分と比較してみたい。または感情を共有したいと思っている人です。
どちらかというと仲間探し的な意味合いで来る人だと思います。
自分の考えを発信したい当事者
「自分はこんな方法で今のように楽になった」「今はこんなことしている」
一見上記に似ている感じなのですが、発信できるようにまでなると経験者に近いですね。
ただアニ個人としては「背伸びしてなければいいけど」と思いながら話を聞いています。
藁をも掴む思いの当事者
切羽詰まった当事者が、相談などを利用せず、偶然目にしたイベントに参加した。
どちらかというと家族の方に多いケースだと思いますが、当事者にもこういう人はいるでしょう。
また、家族と一緒にイベントに参加した当事者も近い状況だと思います。
家にいてもどうしようもない、現状をどうにかしたいと思っていた時、偶々家族から誘われたイベントに参加する。
本人的にはかなり思い切って参加しています。
何か良いキッカケを掴んでくれればと思いますが…主催者側が気付いて上手く配慮してくれることを期待します。
どうすれば当事者が参加しやすいイベントになるか?
ハッキリ言うと、当事者が参加しやすいイベントなんて無いと思います。
当事者だけの集いでも、人が集まることには違いない訳ですから、それなりの緊張感があります。
それでも当事者に参加して欲しいと思うなら、相応の準備・対応が必要です。
イベントの内容を分かりやすく周知する
口コミ、SNS、インターネット、メディアなど。手段は色々で構わないです。
ただ、イベントの告知の内容と実際の内容に齟齬があったり、伝わりにくい表現であったりするのは問題があります。
参加したイベントが想定と異なる内容であることは、思い切って参加する当事者にとってストレスになります。恐らく皆さんが想像している以上です。
そうなった場合「裏切られた」と感じる可能性があります。
失望は怒りに変わることがあり、それが主催者に向けばまだマシです。しかし、イベントに誘った家族などに向いた場合、現状に悪影響を与えるでしょう。
当事者の心の準備をしやすい情報提供をすることは非常に重要です。
逃げても大丈夫な環境
例えば、講演会などの場合は予め自由に入退出しても良い旨を伝えるなど、いつでも他の場所へ行ける環境を整えていることです。
ただ退出した人が「あの人、当事者じゃないかな」と特定されるようなものではいけません。伝え方には工夫と注意が必要です。
何も喋らなくても問題ない雰囲気
特に少数の人で話す場合、どうしても喋らなくてはという強迫観念を当事者は持ちやすいです。主催者側が意図してなくても、当事者側がそう感じてしまえば配慮が足りてないと言わざるを得ません。
この場合、進行役のコーディネーターの力量が問われます。
当事者が消極的であれば喋らなくても良い雰囲気を作って、逆に積極的であれば話を振った方が心理的に楽でしょう。
言葉にするには簡単ですが、かなり難しいことです。適切な人にお願いすることをオススメします。
テンポの良さをキープする
不登校ひきこもり分野でのイベントの場合、トークが主体となります。
トーク主体のイベントの場合でよくある失敗として、特定の人間が喋り過ぎて、周囲が飽きてしまうということがあります。
例えば、講演者が設定時間を超過してしまう。質疑応答などで発言者が自分の話しばかりして、他の発言者の機会を奪ってしまうなど。
せっかくイベントに参加したのに、全くつまらない場だった。次は無いです。
そうならないためにも、タイムキーパー役は必須です。
仕事をお願いする
イベント自体の手伝いをお願いすることも一つの手です。
ただ話を聞くのは嫌だが、仕事として何かするのはやぶさかではないという当事者は案外と多いです。
仕事のついでに話を聞くことで、案外と普通に参加するより聞いていることもあります。
ただ相手は当事者なので、ただ仕事をお願いするより配慮は必要です。ドタキャンしても大丈夫だとか。
ボランティアということも悪くはないですが、アニとしては仕事としてお願いすることをオススメします。
一つに簡単でも仕事として行うことで、アルバイトなど次のステップにつながること。
もう一つに精神的な理由付け。
イベントの手伝いをするということは、多かれ少なかれ指示が存在します。指示を受けることはストレスになることもありますし、指示する側にも精神的負担を強いることがあります。
お互いにとって「これは仕事だから」と割り切れる理由を設けることは、精神衛生上悪いことではありません。
最後に「当事者の便利使い」を防ぐこと。
無償ボランティアの悪い点として、馴れ合いが生まれた場合、主催者の側が「あれもしてくれたから、これもしてくれるだろう」という「便利使い」をしてしまうことです。
一般のボランティアであれば「やりたくない」と断ることもできるかもしれませんが、当事者がボランティアをやる場合「断ったらどうなるだろう」と不安から断れないことがあります。
有償ボランティアないし雇用であれば、主催者側はお金を消費するので「便利使い」が発生し難いです。
不登校ひきこもりに関するイベント主催者が陥りやすいこと
不登校ひきこもりのイベント主催者は支援者であることがほとんどです。
支援者が陥りやすいことに「自分がやりたいことだけをやる」ということがあります。
もちろん支援者は「当事者・家族など困っている人にとって良いこと」だと思っており、それが「自分がやりたいこと」になっています。
想いも強く、善意に基づいたことです。
ただイベントには善悪に関わらず「やらなければならないこと」ということがあります。
「自分がやりたいこと」を優先して「やらなければならないこと」を雑に扱ってしまうことがあります。
また「自分がやりたいこと」があり過ぎて、いったい誰に対して何をしたかったのか、方向を見失ってしまうこともあります。
例えば、イベントの内容を正確に伝えることは、自分が何をしようとしているかを正確に把握していなければなりません。
「自分がやりたいこと」だけに集中している人は、自分ではやりたいことが分かっているので、他者に伝えることを怠りがちです。イメージだけで伝えてしまうことがあります。
もちろん「何となくやった」みたいなイベントは良くないですから、想いを持つことは必要です。
ただ「自分がやりたいこと」と「やらなければならないこと」のバランスに配慮は必要です。
当事者が「行かなければよかった」と思わせるイベントは、本当に罪深いと思います。
今回は以上となります。
アニもそれなりに講演会などイベント企画しますが、毎回何かしら失敗したなとか思ってます。
色々と当事者が参加しやすいような工夫を考えるのですが、上手くいったと感じたのは僅かです。本当に当事者が参加しやすいイベントというのは難しい。
そういうアニがこんな投稿するのは、なんだかなと思いますが(苦笑)
まあ失敗から学んだことだと思って頂ければ幸いです。
そういえば最近テクニカルな内容の投稿が多いですね。次回はもっと本質的でディープな内容書こうかな。
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