不登校ひきこもり支援選びの1つの目安です。『不登校ひきこもり情報たーみなるinながさき』掲載の団体だけでなく、掲載されていない団体を探す時にも役立ってもらえれば幸いです。

『不登校ひきこもり情報たーみなるinながさき』では支援団体をジャンル分けしています。

  • 当事者グループ
  • 家族会
  • 相談窓口
  • 就労支援
  • 学習支援
  • その他

不登校ひきこもり支援選びでお悩みの当事者の方。自分の状態と照らし合わせながら、該当するものを探してみてください。

1:外出できない/話し相手が欲しい/人と直接会いたくない

まずは相談窓口に連絡してみてはどうでしょう?電話でのやり取りに抵抗がある場合はメール相談という手があります。自分の考えていること、家族には言えないことを思い切って話してみては?心の整理がつくかもしれません。

2:外出できない/話し相手が欲しい/人と接してみたい

訪問支援を行っている相談窓口を探してみてください。訪問は相談に乗るだけでなく、雑談なんかもします。ゲームなどで一緒に遊ぶことも。自分の安心できる空間で信頼できる人が来る訪問は人に慣れるのにお勧めです。

3:外出できる/話し相手が欲しい/人と接してみたい

相談窓口へ面談しに行くのも良い手です。電話・メール相談だけでは言い切れないことも言えますし、なにより面と向かって話す良い機会です。
当事者グループに参加するのもお勧めします。当事者グループの参加者は不登校ひきこもりの経験がありますから、お互いの気持ちが理解しやすいですし、友達になれるかもしれません。人付き合いの練習にもなります。
また当事者グループには世話人と呼ばれる話を聞いてくれる人がいます。その人に色々話すのも良いでしょう。

4:外出できるが学校には行きたくない/自分のペースで勉強したい

学習支援の1つにフリースクールというものがあります。学校に行けない人たちが参加しており、色んな体験ができる場です。勉強も自分のペースで教えてくれます。「ちょっと頑張って学校に戻りたい」という気持ちがあるなら適応指導教室というものもあります。
個別指導が良いなら塾や家庭教師も悪い選択肢ではありません。ただ不登校ひきこもりに理解のある塾・家庭教師を見つけるのは難しいのも事実です。そこで家族会に連絡を取ってみてはどうでしょう?家族会に参加している家族の中には理解ある先生を知っている人がいる場合が多いです。自分で聞きに行くのはハードルが高いかもしれません。自分の家族に聞きに行ってもらうのも良い手です。

5:たまに学校へ行きたい/自分のペースで勉強したい/人付き合いが苦手

通信制の学校をお勧めします。自分のペースで勉強できますし、登校日の数は少ないです。たまに登校しなければいけませんが、不登校ひきこもりと似たような経験をしている生徒が多く在籍している場合が多いので比較的安心です。ただし学校に行く場合、心掛けることがあります。それは次の項目で説明します。

6:学校に行きたい

復学するにしても、新しい学校に行くにしても心掛けることがあります。自分の体調や気分などのコンディションです。新しいことをする時は無理をしやすい時期でもあります。まずは家族・友人・家族会の人・相談所の相談員など誰でも良いので相談して現状を整理することが重要です。

7:人付き合いに自信がない/就労したいが経験がない

就労支援は初歩から教えてくれます。そういったところで勉強しつつ人に慣れていったらどうでしょう?就労支援を行っている団体は就労に関する相談もしていますので、まずは相談です。

8:就職したい

まずは自分の体調や気分を第一に考えてください。こういうときは無理をしやすい時期です。心が落ち着いたら自分が「できること」「したいこと」を考えます。
いきなりフルタイムで働くのは難しいです。できたとしても長続きしません。ひとまず仕事することに慣れることをお勧めします。短期バイトなどですね。次に自分のしたいことの中で仕事になりそうなものを探します。技能に不安があるならハローワークなどが求職者支援訓練を行っていますから受けるのも良いでしょう。金銭に余裕があるのなら仕事につながりやすい専門学校なども選択肢に入れて良いと思います。

9:学校・仕事が辛い/辞めたい

就学・就労を考えているときは気分が乱高下しやすいので危険な時でもあります。落ち着いて判断すること、できるなら相談できる相手を持つのが良いです。家族、友人、当事者グループの知人、家族会の世話人、相談窓口の相談員、就労支援の人など、誰でも良いので気軽に悩みを打ち明けられる相手を持ってください。
いざ就学・就職してもすぐに辛くなることは多々あります。そんな時は迷わず辛い気持を誰かに話してください。ストレスを溜めないことは重要です。
もし我慢できなくなったら勇気を持って辞めてください。そして誰かに辞めたことを話してください。特に当事者グループの参加者は同じ経験を持っていることが多いので、すぐに辛い気持を分かってくれます。

10:特別な事情がある場合

不登校ひきこもりにはさまざまな要因があります。その中でも特別な事情を理由に不登校ひきこもりになってしまうこと。反対に不登校ひきこもりになってしまったがために特別な事情を抱えてしまったことがあります。ここではその特別な事情の場合どうしたらよいのか簡単に説明します。

「もしかしたら自分って病気?」と思った時

うつ病・統合失調症・依存症などの精神疾患になってしまうことは珍しくはありません。「もしかしたら…」と思ったら相談窓口の相談員(臨床心理士など心理系の資格を持っている方がお勧め)に相談してみましょう。

病気の自然治癒は難しいことが多いです。別に恥ずかしいことでも珍しいことでもありません。1人で行くのが難しい場合は誰かと同伴して行きましょう。家族がほとんどですが、それが嫌なら相談員にお願いするもありです。
また残念ながらお医者さんにも良し悪しがあります。「良いお医者さん」に巡り合う可能性を高くするためには情報の収集が必要です。そこで家族会や当事者グループで訊ねてみましょう。一番信用できる情報は利用者の声です。家族会の参加者の中には精神科へ通院している当事者の家族も多くいます。ぜひ試してみてください。

「自分って何かの障がいがあるかも…?」と思った時

自分にとって当たり前のことが、他人にとって当たり前じゃない時があります。話していても「何か話が通じてない」なんて思うこともあるでしょう。そんな時、不意に「自分ってもしかして…」と思うことはありませんか?
実際に障がいであるかは診断してみないと分からないことです。自分や周囲の人間が判断できることではありません。単に性格的な差異であるかもしれませんし、障がいとは言えない段階のことかもしれません。早合点はしないでください。

まずは診察しに行きましょう。そして心のモヤモヤをハッキリさせましょう。不安であれば相談員(保健士など福祉系の資格を持っている方)に相談しましょう。

障がいと言うとまるで欠陥があるかのような言い方ですが、実際にはそうではありません。自分の「特徴」だと思ってください。簡単に言うとある能力に特化していることなのです。
例えばある「特徴」の場合、常人ではあり得ないほどの集中力を発揮することがあります。反面、高い集中力のせいで周囲へ意識が向かない。「長所は短所,短所は長所」と言いますが、まさにその通りです。

診断はその「特徴」を探る作業です。診断を受けた後、それに応じて適した支援を受ければ良いでしょう。

生活を支えてくれる人がいなくなった時

ひきこもりは支えてくれる人がいてはじめて可能な緊急避難です。でも支えてくれる人が誰一人いなくなってしまった時、ひきこもることはできません。「自分一人では…」と悲観的な気分になるでしょうが大丈夫です。生活を立て直すための味方は必ずいます。

まずは相談窓口、特に貧困対策に詳しい団体(保健所・社会福祉協議会など)に相談してください。生活保護など様々な手段を教えてくれますし、一緒に手続きの手伝いもしてくれます。
生活を立て直した後でも自分の心と向き合うことはできます。

家族が暴力を振るってくる時

そうでないことを祈るばかりですが、現実にDV・虐待が理由での不登校はあります。受けた当人が「自分が悪かったんだ」「他に喋ったら怒られる」と思って他人に言わないことは多々あります。

もしこれを見ているあなたがそうであったのなら、すぐに児童相談所や民間の支援団体へ相談してください。DV・虐待は「する側」と「される側」の距離を離し、専門知識を持った第3者が仲介しないと解決しない問題です。
する側が「止めたいけど止められない」ことも多くあります。「いずれ止めてくれる」という期待は捨ててください。あえて断言します。

以上、支援選びのコツです。お役に立ちましたか?
あくまで私個人の意見ですから“絶対の答え”ではありません。あくまで目安と考えてください。