コロナ禍での不登校ひきこもりの活動 ~長崎県ボランティア活動支援センター講習会に参加して~

アニです。

新型コロナウイルス感染症の流行も、第3波となっています。第1波・第2波以上の状況となってきました。

コロナ禍で、経済的に、精神的に厳しい状況に追い込まれた人も多いですし、ひきこもり、またはひきこもり予備軍が増加しているとの指摘もあります。

そんな厳しい状況の中でも、不登校ひきこもりの支援活動は行われています。

12月5日、長崎県ボランティア活動支援センターの講習会『~私たちは何を備えるか、一緒に考えませんか?~新型コロナウイルスに対しNPOはどう活動をすればよいか。「with コロナ」の時代に備え、団体の活動、イベント・セミナー開催時に心がけることを学びます』に参加してきました。

今回はその講習内容を紹介させてもらい、あわせて不登校ひきこもりの支援活動で気をつけるべきコロナ対策を考えてみたいと思います。

長崎県ボランティア活動支援センター講習会について

長崎県ボランティア活動支援センターが主催したNPO・ボランティア団体向けの講習会です。

講師は山口征啓さん(特定非営利活動法人KRICT理事/健和会大手町病院感染症内科医師)

福岡県北九州市を中心に、実際に感染症対策に取り組んでおられる方です。

ZOOM利用のWeb講習会でした。

今回は新型コロナウイルス感染症の特徴や、イベントやセミナーで気をつけることなどを解説してくださいました。

そもそもCOVIT-19(新型コロナウイルス)とは?

コロナウイルス自体は前々から存在したウイルスです。人間に感染するコロナウイルスは6種類。その内4種類は風邪の原因です。

2012年に中東からヨーロッパを中心に流行した同じコロナウイルスの中東呼吸器症候群(MERS) は非常に強力なウイルスであった分、症状がハッキリしており、隔離もしやすかったです。

COVIT-19は約8割の感染者は他へ感染しないです。残り2割がクラスターなどを引き起こし、感染させます。

実はインフルエンザの方が感染力高いそうです。

COVIT₋19の潜伏期5日(インフルは2日)です。濃厚接触者は2週間自粛生活を送るとこになります。

感染者の8割は風邪の症状と同じで、そのまま回復します。ただ、残り2割が肺炎を引き起こし入院し、さらに入院した2割(全体から見て1割)が重症化します。

そして重症化した約5割(全体から見て約5%)が死亡する。肺炎からの重症化が早いのが特徴です。

重症化する要因

年齢・合併症が主たる原因だそうです。50歳未満はほとんど死なない。
70歳以上の患者の8%以上が死亡します。

心血管・糖尿病・慢性肺疾患・高血圧・がんなど持病がある人が死亡率が高く、若い人の場合、肥満の人は重症化しやすいです。

どうやってCOVIT₋19と判断しているのか?

風邪と全く一緒なので初見での判別は難しく、1週間後、肺炎を起こしているかで判断しているそうです。

血液検査では分からず、PCR検査は感度が7割程度の精度。つまり3割の患者を見逃します。また偽陽性もあるので、全ての人に検査するより、疑わしい人に絞った方が良いと考えておられるそうです。

症状が8割の人が軽傷で、1割の人が重症化する。8割の人は移さないのに、クラスターも多い。希な特徴を持つウィルスなのだそうです。

一般でやるべき対策・予防策

主に下記7つがやるべき対策・予防策となります。

  • 体力低下の防止(残業とかしない)
  • 手指衛生
  • 咳エチケット
  • 3密を避ける(リスクのある行動を避ける)
  • 病院・介護施設へ持ち込まない
  • 高齢者は人混みを避ける
  • 具合が悪い時は仕事に行かない(37.5℃以上の体温)

いわゆる水際作戦は難しく「コロナは必ず入ってくる!」と考え、入ってきても大丈夫なイベントの組み立て、施設の管理にするのが重要だそうです。

濃厚接触者を出さないようにすることが現実的な対策です。

濃厚接触者の目安

陽性者と接触があって、以下3つの点が揃うと濃厚接触者と認定されます。

  • 2m以内の距離
  • 15分以上の会話
  • マスクなし(※マウスガードはマスクとは見なされない)

感染経路は?

COVIT₋19は飛沫(1-2m)やエアロゾルによってウイルスが接触し、手から目・鼻・口の粘膜から感染します。

特に新型コロナの感染リスクを高める場として、以下7つが挙げられます。

  • 飲酒を伴う懇親会
  • 大人数・深夜の飲食
  • 大人数・マスクなしでの会話
  • 仕事後の休憩(更衣室など)
  • 集団生活
  • 激しい呼吸を伴う運動
  • 屋外での活動の前後(控室・移動の車中など)

仕事や運動の後は油断しやすいので、注意が必要です。

ではどう対策を行えばいいのか?

飛沫対策

まず飛沫対策。話す時に2mの距離を取る。取れない場合はマスクを着用すのが必須です。

自分の飛沫を飛ばさないためにマスクはあります。話し相手と互いにマスク(フェイスシールド)をしていれば、リスクはかなり下がります。

エアロゾル対策

エアロゾル感染は一般的に空気感染(例:結核・はしかなど)とは違います。

医療関係者以外が理解するのは難しいらしいですが、要約すると、エアロゾルは飛沫などで飛ばされたウイルスが、水分が乾燥してウイルスだけとなり、空気中に漂うものです。

対策としては3密(密閉・密集・密接)を避け、換気を行うです。

エアロゾルは、空気の流れがあったりある程度広い場所では霧散するからです。

部屋のサイズとしては、病室4人部屋(約54㎡)ぐらいだとリスクが高いです。

窓など外気を出し入れする場所は、部屋の対角線が有効で、開けっ放しの方が煩雑にならず労力が少ないです。

空気が溜まりやすい場所の空気を動かすように、扇風機・サーキュレーターを動かすことも有効です。

湿度はあった方が良いですが、コントロールが難しいので、換気を優先した方が良いそうです。

エアロゾルは微細なのでマスクは効果がありません。また、エアコンでは換気ならないです(最新のエアコンで外気を取り込むものは多少換気にはなる)。空気清浄機は効果が実証されていないそうです。

換気がしにくい部屋でのオススメとしては、ダイキンの電熱交換機だそうです。

接触予防

COVIT₋19は目・鼻・口の粘膜から感染するので、自分で触らないように気をつけます。

手指消毒

手にウイルスがついただけでは感染しません。アルコール消毒液での手洗い、流水でも物理的にウイルスが落ちるので有効です。

環境消毒(物の消毒)

物を拭いて消毒する場合は、推奨されている薬剤を使用してください。環境消毒薬と書かれています。

拭くのが重要で、スプレーでは効果ないそうです。

また空間の消毒はできないので、床・靴の雑菌がそもそもつきやすい場所の消毒は効果がありません。消臭スプレーのようにアルコールを噴霧しても意味はありません。

物の消毒では、ツルツルとした表面でないと消毒できません。

例えば、布製品は拭いても効果がないです。その場合は洗濯し物理的にウイルスを流すのが効果があります。ツルツルした表面のカバーをかけるのもOKです。

他には、イベントなどで用いるマイクは、消毒が難しいものの一つです。

消毒には何を使えばいい?

まず、消毒と除菌というのがあります。

消毒には規定がありますが、除菌は「菌を落とす」だけのものです。

当然、消毒と記載された物が良いです。

またアルコール消毒液の他に、次亜塩素酸水があります。

次亜塩素酸ナトリウムが正式なもので、次亜塩素酸水は濃度が商品によって差があり、有効度が分からないものだそうです。環境消毒にも有効ではありません。

消毒のための商品を選ぶ際は、もちろん用途など説明をしっかり読み、消毒と記載されているものが良いようです。

不登校ひきこもりの支援活動で気をつけるべきコロナ対策

以上が長崎県ボランティア活動支援センターの講習内容です。

それを踏まえて、不登校ひきこもりの支援活動で気をつけるべき点を考えてみたいと思います。

当事者の居場所

不登校ひきこもりの当事者の居場所は、3密の条件を満たしやすいことが多いです。また長い時間話すことも多いです。

部屋の換気、入口での手指消毒、マスクの着用は必須です。

本やゲーム機など、色んな人が使う物も多いです。

共用の物は消毒できる物は可能な限り、消毒するのが良いです。

当り前の話ですが、熱があるなど体調が悪い人は参加できないようにしないといけません。

一番気をつける必要がある点としては、飲食をする点です。お菓子を共有して食べるのはリスクが高いです。

飲食する時だけマスクを外し、終わったら必ずマスクをする。

食べ物は小分けにするなど、意識を徹底しないと、つい油断することが多いと思います。

家族会

家族会もどちらかと言うと3密になりやすいですし、長い時間話します。

当事者の居場所より多人数です。

気をつける点は当事者の居場所と同じ部分が多いと思いますが、多人数になった場合は、ソーシャルディスタンスを確保が必要になるかとも思います。

場合によっては、会場の変更も考えた方が良いかもしれません。

講演会などのイベント

講演会などのイベントは、コロナ対策のガイドラインがあります。参加人数の上限など、新型コロナウイルスの流行状況で変わってくると思います。

その上で気をつけるべき点としては、不特定多数の人間が参加するという点です。

どうしても感染のリスクが高くなるので、濃厚接触者にならない工夫をなるべく行うことが重要だと思います。

ソーシャルディスタンスの確保、マスク着用などは当然として、案外と気をつけないといけないのは、参加者の連絡先の確認です。

仮に陽性者が参加していた場合、連絡先がないと対応しようがありません。参加申込の段階で連絡先を確認するなどが必要だと思います。

またアンケートを配布した場合、そのアンケートにウイルスが付着している可能性を考慮する必要があります。

アンケートや参加申込をネットで行うなどして、リスクを減らした方が良いです。

管理人アニのオススメとしては、Googleフォームが利便性が高いかなと思います。

あと直接会う参加者を減らすWeb利用を検討した方が良いと思います。

特にリスクが高い地域に在住している講演者でしたら、一番有効な方法だと思います。

相談

相談する場合、一番密接、密着状態になり、何より長い時間話します。

マスク着用、2mの距離の確保は、言うまでもないでしょう。相談室などを設けている場合は消毒作業なども必要です。

対面して座るのではなく、飛沫が直接飛ばないような座り方も重要かと思います。


今、これを書いている横で新型コロナウイルスのニュースが流れており、流行の第3波が深刻化しつつあります。

海外でワクチン接種がはじまったとはいえ、まだ感染症流行の終わりが見えない感じです。

不登校ひきこもりの活動は、基本的に密になりやすいです。人と人が長い時間話すという点は、どの場面でも避けられないと思います。

その密さが、当事者や家族の気持ちを救う良い方法だからです。

ただ、新型コロナウイルスの流行はそうった良い密さを奪っていきます。

本当に新型コロナウイルスは厄介だと、実感している、今日この頃です。


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