当事者グループとは不登校ひきこもりの当事者・経験者が主体となって活動しているグループのことを言います。主に以下の2つに分類されます。
居場所・フリースペース
当事者・経験者が雑談をしたり、ゲームをしたり、料理をしたりと、特に目的を持たず集まっている居場所、文字通りフリーな空間です。
長い間不登校ひきこもりを経験していると、どう人と接したら良いか分からなくなってしまいます。今まで付き合っていた友達とも疎遠になることも多々あります。そこで人付き合いの感覚を取り戻す空間として行ってみるのも良いでしょう。
参加者は不登校ひきこもりの当事者・経験者ですので、互いに共感しやすいですし、互いの悩みを話すこともできます。他の人に言えないことも同じ境遇の人になら言えることもあるでしょう。大抵の場合、世話人が常駐しているので相談にも乗ってくれます。
当事者の最初のステップとしてお勧めします。
自助グループ
当事者・経験者が目的を持って、主体的に活動しているグループのことです。そのほとんどが経験を話し合う場を設け共感を得る「分かり合うための場所」です。それだけでは止まらず、例えば小冊子を作って自分たちで販売してみたり、人形劇をしてみたり、ボランティア活動をしたり。実にさまざまです。
全部を当事者・経験者で行っている場合と世話人がいる場合がありますが、どちらの目的も「自分たちで何かをすることで自信を取り戻す」ことにあります。
居場所・フリースペースと違って目的がありますから「何もすることのない場所に行くのは何か違う」という人にお勧めです。また就労・就学の前段階として、何か目的を持って活動することに慣れるのは悪くありません。
当事者グループの意味
不登校ひきこもりの当事者がすぐに就労・就学のために動き出すのはとても難しいことです。当事者は「自分は何もできない」など自信喪失に陥っていることがほとんどです。「自分を見失っている」とも言えるでしょう。
安心できる集団の中で過ごし、人と接することに慣れること。参加することで得られた経験から自分を見直すこと。そういったことを経て自信を取り戻すことができます。
また当事者・経験者でしか分かり得ないことは多々あります。それを互いに共有することで心を穏やかになります。
自信を取り戻し、心に余裕が生まれてはじめて次のステップのことを考えることができます。
また経験者が社会生活を行っていく過程でストレスを抱え、心が再び傷つくことは多くあります。そこで無理をすると再び不登校ひきこもりになってしまいます。ここで苦しさを共感できる仲間がいればどうでしょう?互いに話をして共感することで心の傷を癒すことができたのなら、また社会生活を過ごしていけます。
当事者グループは当事者の最初のステップというだけでなく、経験者が社会生活を過ごしていくためのセーフティーネットの役割もあります。